日本の貴重なコケの森27

27)八重渓谷

所在地:宮崎県日南市北郷町北河内

範囲: 猪八重渓谷

選定理由:猪八重川が中央を流れ,五重の滝を中心に約 20 の滝群と奇岩渓流からなる渓谷美に加え、シイ、タブ類など天然の常緑広葉樹を主とした優れた景観美を有している。渓谷沿いの常緑広葉樹林帯は宮崎県南部唯一の自然林地帯であり、自然維持林及び森林空間利用林として保存されている。当該地域特有の多雨多湿の環境の中、年間を通して一定の湿度と温度が保たれているため、コケ植物の生育量も豊富であるだけでなく貴重な種も数多く確認されており、日本に約 1,900 種あるコケ植物のうち 300 種近くが生育していることから九州を代表するコケの宝庫として知られている。また、猪八重渓谷は服部植物研究所(宮崎県日南市)の研究者を中心にコケ植物の研究が長年行われてきた場所であり、我が国の蘚苔類学の発展にも貢献してきた貴重な存在でもある。服部植物研究所によって発表された自然林内の着生蘚苔類群落及び蘚苔類相の研究より世界でも珍しいコケ植物の宝庫として、その価値が世界の研究者に認められている。