日本の貴重なコケの森

No.22

22) 然別湖周辺の風穴地帯と東雲湖

所在地:北海道河東郡鹿追町・上士幌町

範囲:然別湖周辺の風穴地帯と東雲湖周辺

選定理由:然別湖周辺は,4~1万年前に然別火山の溶岩ドームが崩壊してできた岩塊斜面が数多く存在し,広大な風穴地帯になっており,林床はミズゴケ類の厚いマットが覆っている.ゴレツミズゴケとホソバミズゴケからなる群落が広く見られ,ゴレツミズゴケが優占する林床は東大雪地域の風穴地帯を特徴づける景観である.また,セイタカスギゴケ,タチハイゴケ,ダチョウゴケ,イワダレゴケなどをはじめとする亜高山帯の蘚類も豊富に見られ,タイ類ではハットリヤスデゴケトゲハヒシャクゴケ,アパラチアウロコゴケなどの稀産種も確認されている.東雲湖(標高810 m)は,然別火山の活動によって形成した高層湿原で6種類のミズゴケ類が報告されている.然別湖周辺は,特異的に分布する風穴地の蘚苔類と高層湿原のミズゴケ類を見ることが出来る地域として貴重な環境であると考えられる.