日本の貴重なコケの森

No.26

26)奥利根水源の森と田代湿原

所在地: 群馬県利根郡みなかみ町藤原および片品村大字花咲

範囲:奥利根水源の森と田代湿原

選定理由:水源の森から田代湿原に至るまでのブナの樹幹上に数多くの蘚苔類が,田代湿原には数種のミズゴケ類が生育し,中央部が盛り上がった高層湿原となっている.太平洋側のブナ林を代表する種類に加えて,湿原や渓谷に生育する種類も豊富である.ブナ林ではカラフトシッポゴケ,ナガミゴケ,ミヤマカガミゴケなどが地上に,イイシバゴケ,コカモジゴケ,ツヤヒツジゴケなどがブナの樹幹上に生育している.樹幹が一面コケに覆われているブナもあり,全体的に着生種が豊富である. 田代湿原とその周辺は,多くのミズゴケ類が生育し,湖面の全面をミズゴケ類が覆う関東地方では非常に稀な湿原である.ウロコミズゴケ,アオモリミズゴケ,キダチミズゴケ,ヒナミズゴケ(S. warnstorfii)の4種のミズゴケ類があり,その他オオヒモゴケやホラゴケモドキ,ウキヤバネゴケ(群馬県未記録)なども見られる.