日本の貴重なコケの森

No.19

19)奥入瀬渓流流域

所在地:青森県十和田市

範囲:奥入瀬川の十和田湖から焼山の区間

選定理由:渓流中の岩にはアオハイゴケ,タニゴケ,ミズシダゴケ,ホソホウオウゴケ,フジウロコゴケ,マルバハネゴケ,コアミメヒシャクゴケ,タカネミゾゴケなどの蘚苔類が定着している.このように渓流中の石の上に多様な蘚苔類が生育する景観は奥入瀬渓流を代表する景観の一つとなっている.遊歩道沿いに散在する岩にはエビゴケ,コツボゴケ,トヤマシノブゴケ,オオトラノオゴケなどが,倒木や橋の欄干にはクサゴケ,シワラッコゴケ,コフサゴケ,ミヤマリュウビゴケ,ツツソロイゴケなどがそれらの基物を覆い尽くしている.林内の樹木の樹幹にはオオギボウシゴケモドキ,キヌイトゴケ,アツブサゴケ,オオクラマゴケモドキ,ケクラマゴケモドキ,ハイハネゴケ,ヤマトコミミゴケ,基部にはアオモリサナダゴケなどが着生している.奥入瀬渓流は林床の朽木,樹幹,岩石上のほか,流水中の転石上まで満遍なくコケ植物群落が見られ,蘚苔類の存在が景観上重要である.